坐骨神経痛に効く薬は?整形外科で処方される薬の種類と選び方

坐骨神経痛に効く薬は?整形外科で処方される薬の種類と選び方

坐骨神経痛は、腰から脚にかけて走る坐骨神経が圧迫されることで生じる痛みやしびれです。この症状に対して、整形外科では複数の薬を症状や患者さんの状態に応じて処方します。本記事では、坐骨神経痛の治療に用いられる主な薬とその選び方について、わかりやすく解説します。

坐骨神経痛治療の基本:段階的治療アプローチ

坐骨神経痛の薬物治療は、一般的に段階的に進められます。まず軽い症状から重い症状に対応できる薬を使い始め、効果が不十分な場合は薬を追加したり、より強力な薬に変更したりします。このアプローチにより、必要以上に強い薬を使わずにすみ、副作用のリスクを抑えることが期待できます。

主な坐骨神経痛治療薬

1. NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)

NSAIDsは、坐骨神経痛の初期治療として最もよく処方される薬です。痛みを緩和するだけでなく、神経周囲の炎症を軽減するため、坐骨神経痛の症状改善に効果的です。

  • ロキソニン(ロキソプロフェン):整形外科で最も一般的に処方されるNSAID。1回1錠、1日3回が標準用量で、効果が比較的早く現れます。詳しくはロキソニンの用法・用量に関する記事をご覧ください。
  • セレコックス(セレコキシブ):新しいNSAIDで、胃への負担が比較的少ないのが特徴です。
  • ボルタレン(ジクロフェナク):強力な効果がありますが、副作用の可能性も高いため、比較的短期間の使用が推奨されます。

NSAIDsを使用する際の注意点として、胃痛や胃潰瘍、消化管出血のリスクがあるため、特に長期使用の場合は胃薬と併用されることがあります。また、腎機能が低下している場合や高血圧がある場合は、医師に相談が必要です。胃・十二指腸潰瘍のある方や、解熱鎮痛薬で喘息発作が出たことのある方(アスピリン喘息)には使用できません。なお、上に挙げたNSAIDsはいずれか1種類を選んで使う薬で、2種類を同時に飲むことはありません。重ねて飲んでも効果の上乗せは乏しく、胃腸や腎臓への副作用のリスクだけが高まります。

2. アセトアミノフェン(カロナール)

カロナールはNSAIDsではなく、異なるメカニズムで痛みを緩和します。胃への負担が比較的少ないため、高齢者や胃の弱い方、長期使用が必要な患者さんに用いられます。ただし、重い肝臓の病気がある方は使えず、長く使う場合は肝機能への注意が必要です。また、抗炎症作用がないため、炎症が強い場合にはNSAIDsの方が効果的です。詳しくはアセトアミノフェンの痛み止め効果に関する記事をご参照ください。

3. 神経障害性疼痛治療薬

坐骨神経痛では、しびれや電気が走るような痛み(神経障害性疼痛)の要素が加わることがあり、その場合には次のような薬を用いることがあります。

  • リリカ(プレガバリン):神経障害性疼痛に用いられる代表的な薬のひとつです。1日150mgを1日2回に分けて飲み始め、1週間以上かけて少しずつ増やしていきます(1日の最高量は600mg)。効き目の感じ方には個人差があります。
  • タリージェ(ミロガバリン):比較的新しい神経障害性疼痛治療薬です。1回5mgを1日2回から始め、1週間以上の間隔をあけて少しずつ増やしていきます。
  • ノイロトロピン:もともと体に備わっている、痛みを抑える神経の働き(下行性疼痛抑制系)を高めると考えられている薬で、他の治療薬と併用されることが多いです。

リリカとタリージェは、少量から始めて効き目と副作用を見ながら少しずつ増やしていく薬のため、効果を判定するまでに数週間かかることがあります。めまい・眠気・意識消失があらわれることがあるため、服用中は自動車の運転など危険をともなう機械の操作は控えてください。また、急にやめると不眠や吐き気などが出ることがあるので、自己判断で量を変えたり中止したりせず、減らすときは医師の指示に従ってください

4. 筋弛緩薬

坐骨神経痛に伴う筋肉の緊張を緩和するために使用されます。いずれも眠気が出ることがあるため、服用中は自動車の運転など危険をともなう機械の操作は控えてください

  • ミオナール(エペリゾン塩酸塩):筋肉の緊張を和らげ、血流を改善して痛みを緩和します。
  • テルネリン(チザニジン):より強力な筋弛緩作用がありますが、眠気などの副作用が強い傾向があります。

5. 弱オピオイド

その他の薬で十分な効果が得られない場合、トラマドールなどの弱オピオイドが処方されることがあります。痛みをやわらげる効果が期待できる一方で、依存性や便秘、吐き気などの副作用があるため、他の治療法と併用しながら慎重に使用されます。

市販薬 vs 医療機関での処方薬

市販されている痛み止めでも一部のNSAIDsやカロナールは購入できますが、坐骨神経痛の症状が強い場合や治療が長期に及ぶ場合は、医療機関での診断と処方が重要です。医師の診察により、坐骨神経痛の原因を特定し、患者さんの全身状態(年齢、他の病気、飲んでいる薬など)を考慮した最適な薬を選択できます。

非薬物療法との組み合わせ

薬物療法だけでなく、以下の非薬物療法と組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。

  • リハビリテーション・運動療法:腰周辺の筋力強化とストレッチにより、腰への負担が減り、症状がやわらぎやすくなります。
  • 神経ブロック注射:坐骨神経周囲に局所麻酔薬(必要に応じてステロイド)を注射し、痛みと炎症をやわらげます。
  • 物理療法:温熱療法や電気刺激により、痛みと筋肉の緊張を緩和します。

坐骨神経痛の症状が強い場合や、保存的治療では改善しない場合については、腰部脊柱管狭窄症の薬物療法ガイドも参考にご覧ください。

いつ医療機関を受診すべきか

以下の場合は、できるだけ早く整形外科を受診してください。

  • 痛みやしびれが強く、日常生活に支障が出ている
  • 市販薬では効果がない
  • 症状が急に悪化した
  • 脚の筋力が低下している、または下半身に麻痺がある
  • 排尿・排便に支障が出ている(医学的に緊急)

まとめ

坐骨神経痛の治療には、NSAIDs、アセトアミノフェン、神経障害性疼痛治療薬、筋弛緩薬など、多くの選択肢があります。最適な薬は、症状の程度、患者さんの年齢と健康状態、他の病気や薬との相互作用など、多くの要因によって決定されます。医師の診察を受け、自分に最適な治療法を見つけることが、坐骨神経痛を効果的に管理するための第一歩です。

あわせて読みたい:坐骨神経痛の治療について詳しくはこちら(世田谷区・豪徳寺駅徒歩5分)


 

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