「痛み止め(ツートラム)を飲んでからふらつくのは薬のせい?」整形外科医がわかりやすく解説|豪徳寺整形外科
「先生、痛み止めのツートラムを飲むようになってから、なんだかふらつくんです。これって薬のせいでしょうか?」――診察室でときどきいただくご質問です。実は、これはとても大切な気づきです。今回は、トラマドール(ツートラムなど)という痛み止めと、ふらつき・転倒の関係について、わかりやすく解説します。
結論:ツートラムはふらつき・転倒の原因になりえます
先に結論をお伝えします。ツートラム(トラマドールというお薬の徐放錠)は、痛みによく効く一方で、めまい・ふらつき・眠気を起こすことがあり、その結果として転びやすくなることがあります。とくに飲み始めや量を増やしたときに起こりやすいので、「飲み始めてからふらつく」という感覚は、決して気のせいではありません。ご自身で気づいて相談してくださることが、転倒やけがを防ぐ第一歩になります。
なぜふらつくの?――トラマドールの2つの働き
トラマドールは、痛みを和らげるために体の中で2通りの働きをします。ひとつは医療用麻薬に近い仕組みで痛みをブロックする働き、もうひとつは脳内の神経の伝達を調整する働きです。痛みにはよく効くのですが、この2つの働きが、同時にめまい・眠気・だるさといった症状の原因にもなります。これが、立ち上がったときのふらつきや、足元のおぼつかなさにつながります。
さらに、人によっては血圧が下がりやすくなったり、血液中のナトリウムや血糖のバランスが変化したりして、ふらつきの一因になることもあります。
とくに気をつけたいのは「飲み始め」と「増量したとき」
ふらつきや転倒のリスクは、飲み始めてからの最初の数日~2週間ほどが最も高く、その後は体が慣れて落ち着いてくる傾向があります。ですから、新しく処方されたとき、量が増えたときは、いつも以上に足元に注意していただきたい時期です。とくにご高齢の方や、ほかにもたくさんお薬を飲んでいる方は注意が必要です。
こんなときはご相談ください(自己判断でやめないで)
- 立ちくらみ・ふらつき・強い眠気・だるさが続く
- 転んだ、ぶつけた、頭を打った(けがの有無を確認します)
- 手のふるえ・発汗・落ち着かない・発熱など、いつもと違う症状がある
- 意識がぼんやりする、強い脱力がある
- うつや片頭痛のお薬など、ほかの薬を飲んでいる
大切な注意点として、トラマドールは急に自己判断でやめると、体がつらくなる症状(退薬症状)が出ることがあります。減らすときも少しずつ調整しますので、やめたい・減らしたいときは必ずご相談ください。
当院での対応
豪徳寺整形外科では、ふらつきの訴えがあった場合、まずお薬の種類と量、飲み始めた時期、ほかに飲んでいるお薬との組み合わせを確認します。そのうえで、量を減らす、飲む時間を調整する、あるいは別の痛み止めや、リハビリ・注射といった薬以外の方法に切り替えるなど、患者さんお一人おひとりに合わせて見直します。痛みのコントロールと転倒予防の両立をめざして、一緒に調整していきます。ふらつきや転倒は「年齢のせい」と我慢せず、ぜひ教えてください。
まとめ
ツートラム(トラマドール)は痛みによく効くお薬ですが、めまい・ふらつき・眠気を起こし、転倒の原因になることがあります。とくに飲み始めや増量時は要注意です。ふらつきを感じたら、それは薬のサインかもしれません。自己判断で急にやめず、まずはご相談ください。お薬を上手に使いながら、転ばずに痛みとつきあっていく方法を一緒に考えましょう。
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたもので、診断・治療を保証するものではありません。症状やお薬については、必ず医療機関にご相談ください。
豪徳寺整形外科
〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺2-31-8
TEL: 03-5451-7878
豪徳寺整形外科クリニックの受診をご希望の方へ
- 所在地:東京都世田谷区豪徳寺2-31-8
- アクセス:小田急線「豪徳寺駅」徒歩5分/東急世田谷線「山下駅」徒歩5分
- 診療時間:平日 9:00-12:00 / 14:30-18:30、土曜 9:00-12:00(午前のみ)
- 電話:03-5451-7878
※当院の予約は時間帯予約制(30分幅)です。予約なしでも受診可能ですが、混雑状況によりお待ちいただく場合があります。

