帯状疱疹ワクチンは何年おき?世田谷区の助成・費用も解説

帯状疱疹ワクチンは何年おきに打つ?

結論から言うと、シングリックス(不活化ワクチン)は2回接種を完了すれば、現時点で定期的な打ち直し(再接種)は原則不要とされています。接種後10年時点でも7割程度の予防効果が報告されていますが、効果は年数とともに徐々に下がり、個人差もあります。また、世田谷区にお住まいの方は年齢等の条件を満たせば費用助成を利用して接種できます(制度内容は年度で変わるため、最新の区の案内をご確認ください)。本記事では、接種間隔・効果の持続期間・世田谷区の助成制度・当院での接種の流れを順に解説します。

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる感染症です。子どもの時に水ぼうそうに感染したウイルスが、身体の神経節に潜んでいて、加齢やストレス、免疫力の低下により再び活動を始めることで発症します。

発症すると、体の一部に痛みを伴う特徴的な発疹が現れます。特に60歳以上の高齢者では、帯状疱疹後神経痛(PHN)という痛みが治療後も数ヶ月から数年間続くことがあり、生活の質を大きく低下させます。

帯状疱疹ワクチンの種類:シングリックス vs ビケン

日本では、帯状疱疹予防の2つのワクチンが使用可能です。

シングリックス(組換え帯状疱疹ワクチン)

シングリックスは、ウイルスの一部成分を組換え技術により作製した不活化ワクチン(組換えサブユニット)です。より最新のワクチンであり、多くの先進国で推奨されています。

  • 接種回数:2回
  • 接種間隔:通常、1回目の2ヶ月後に2回目を接種します。2ヶ月を超えて遅れた場合も最初からのやり直しは不要ですが、1回目から6ヶ月後までに2回目を終えてください。病気や治療で免疫が低下している(低下する可能性がある)など、早期に接種を完了することが望ましい場合は、医師の判断で1ヶ月後まで間隔を短縮できます。2回目の接種後の追加接種は、現在のところ推奨されていません。
  • 効果:臨床試験では、発症予防効果は50歳以上で約97%、70歳以上で約90%と報告されています。また、接種後に帯状疱疹にかかった場合でも、症状が軽くすむことが期待されます。
  • 効果の持続期間:接種後1年で9割以上、5年で9割程度、10年時点でも7割程度の予防効果が報告されています(効果は年数とともに徐々に下がります)。長期追跡調査が続いているため、「何年おき」の追加接種が必要かは現在のところ明確な結論が出ていません。

ビケン(乾燥生ワクチン)

ビケンは、弱毒化したウイルスを含む生ワクチンです。より古いワクチンで、現在でも使用されていますが、シングリックスと比較すると有効性は劣ります。

  • 接種回数:1回
  • 効果:帯状疱疹の発症予防効果は約50%で、シングリックスより低めです。
  • 効果の持続期間:接種後1年で6割程度、5年時点では4割程度に低下すると報告されています。
  • 追加接種:効果が減弱した場合の追加接種について、現在のところ明確な推奨は定まっていません。担当医にご相談ください。
  • 接種できない方(禁忌):生ワクチンのため、免疫機能に異常のある方・免疫抑制をきたす治療を受けている方・妊娠中の方は接種できません。

シングリックスとビケンの比較表

項目 シングリックス ビケン
ワクチンタイプ 不活化ワクチン(組換えサブユニット) 弱毒化生ワクチン
接種回数 2回 1回
接種間隔 2ヶ月後に2回目(遅くとも6ヶ月後まで) 該当なし
発症予防効果 50歳以上で約97%、70歳以上で約90% 約50%
効果持続期間 10年時点で7割程度 5年時点で4割程度
推奨年齢 50歳以上(帯状疱疹のリスクが高い18歳以上も対象) 50歳以上(免疫機能に異常のある方・免疫抑制をきたす治療中の方・妊娠中の方は接種不可)
副反応 接種部位の痛み(7割以上)、発赤・筋肉痛・疲労(3割以上)、頭痛・腫れ・発熱(1割以上) 発赤(3割以上)、かゆみ・熱感・腫れ・痛み・しこり(1割以上)

シングリックスの接種スケジュール

シングリックスは2回接種が必要です。一般的なスケジュールは以下の通りです。

  • 1回目接種:医院で接種を受けます
  • 2回目接種:1回目の接種から2ヶ月後に接種を受けます

2回目が2ヶ月より遅れた場合も、最初からのやり直しは不要です。1回目から6ヶ月後までに2回目を終えてください。なお、病気や治療で免疫が低下している(低下する可能性がある)など、早期に接種を完了することが望ましい場合には、医師の判断で1ヶ月後まで間隔を短縮できます。それ以外の場合は、標準の2ヶ月の間隔での接種をお勧めします。

シングリックスの効果について

シングリックスは、高い有効性が報告されているワクチンです。臨床試験では、帯状疱疹の発症予防効果は50歳以上で約97%、70歳以上で約90%と報告されました。また、接種後に帯状疱疹にかかった場合でも、症状が軽くすむことが期待されます。

帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防効果についても、50歳以上で約89%、70歳以上で約91%と報告されています。

シングリックスの副反応

シングリックスは接種後の反応が比較的強く出やすいワクチンですが、多くは一時的なものです。

  • 注射部位の副反応(最も一般的):痛み(7割以上)、発赤(3割以上)、腫れ(1割以上)。通常、数日で治まります。
  • 全身性副反応:筋肉痛・疲労(3割以上)、頭痛・悪寒・発熱・胃腸症状(1割以上)。これらも通常は一時的です。
  • 稀な副反応:ショック・アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群が報告されています(頻度不明)。

副反応は、通常接種後数日以内に起こり、多くは1~2週間で自然に回復します。重篤な副反応はまれですが、接種後に強い症状や体調の変化が続く場合は速やかにご相談ください。

シングリックスの費用

シングリックスは比較的新しいワクチンであり、ビケンと比べて高価です。費用は医療機関により異なりますが、当院では以下の通りです。

令和8年度・定期予防接種(公費助成)

令和8年度(2026年度)の定期接種対象となる方は、区から郵送される予診票を利用して、自己負担を抑えて接種いただけます。

対象者

過去に帯状疱疹ワクチンを接種したことがなく、以下のいずれかに該当する世田谷区民の方。

  • 令和9年3月31日時点で以下の年齢になる方65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳(※誕生日を待たずに、令和8年4月1日から接種可能です)
  • 60~64歳で免疫機能に障害がある方(身体障害者手帳1級相当)(※コールセンターへの事前申し込みが必要です)

接種費用と期間

ワクチンの種類 接種回数 1回あたりの自己負担額
不活化ワクチン(シングリックス) 2回 10,000円(合計20,000円)
  • 接種期間: 令和8年4月1日 〜 令和9年3月31日
  • 注意点: 2回接種を完了するため、1回目の接種は令和9年1月31日までに受けてください。

予診票について

  • 対象者の方へは、予診票が世田谷区から令和8年3月25日に一斉発送されています。
  • お手元に予診票があることをご確認の上、ご予約ください。

令和8年度・任意予防接種(費用助成)

定期接種の対象年齢ではない方も、世田谷区の助成金を利用できる場合があります。

対象者

接種日時点で世田谷区に住民登録があり、以下のいずれかに該当する方。

  1. 50歳以上の方(上記の定期接種対象者を除く)
  2. 帯状疱疹の発症リスクが高い18歳〜49歳の方(疾病や治療により免疫が低下している方など)

接種費用(当院でのお支払い額)

当院の接種費用(22,000円)から、区の助成金(11,000円)を差し引いた金額となります。

ワクチンの種類 助成回数 窓口でのお支払い(1回分)
不活化ワクチン(シングリックス) 2回 11,000円(合計22,000円)
  • 助成方法: 予診票(助成券)は当院に備え付けてあります。事前の申し込みは不要ですので、保険証等の本人確認書類をお持ちください。

自費接種の場合

当院窓口でお支払いいただく費用:1回 22,000円(合計44,000円)

シングリックスの追加接種(ブースター)について

シングリックスの追加接種の必要性については、現在のところ医学的なコンセンサスが確立していません。追跡調査では接種後10年時点でも7割程度の予防効果が報告されていますが、効果は年数とともに徐々に下がり、それ以降の長期データはまだ限定的です。

現時点では、追加接種は一般的には推奨されていませんが、将来のデータに基づいて推奨事項が変わる可能性があります。

シングリックスが推奨される人

  • 50歳以上の方
  • 帯状疱疹にかかるリスクが高いと考えられる18歳以上の方
  • 特に60歳以上で、帯状疱疹後神経痛(PHN)のリスクが高い人
  • 免疫機能が低下している人(医師の判断による)
  • 以前に帯状疱疹にかかった人(再発予防のため)
  • 帯状疱疹による痛みや後遺症をできるだけ防ぎたい人

ビケンはもう接種できるか

ビケンはまだ市場で入手可能で、接種を受けることができます。ただし、生ワクチンのため、免疫機能に異常のある方・免疫抑制をきたす治療を受けている方・妊娠中の方は接種できません(禁忌)。また、有効性や効果の持続という点では、シングリックスのほうが良好な成績が報告されています。医師との相談のもと、個人の状況に応じて最適なワクチンを選択してください。

豪徳寺整形外科クリニックでのシングリックス接種

豪徳寺整形外科クリニックでは、シングリックスの接種を行っています。帯状疱疹予防について関心のある患者さんや、具体的な接種スケジュールについて知りたい方は、お気軽にご相談ください。医師が個人の健康状態に基づいて、シングリックスの接種が適切であるかを判断し、最適な接種スケジュールを提案します。

詳細な情報については、帯状疱疹ワクチンの効果・間隔・有効性・期間についての記事もご参照ください。

まとめ

シングリックスは、帯状疱疹とその合併症の予防に有効性が示されているワクチンです。2回の接種(1回目の2ヶ月後に2回目、遅くとも6ヶ月後まで)により、50歳以上で約97%、70歳以上で約90%の発症予防効果が報告されており、発症した場合でも症状が軽くすむことが期待されます。50歳以上の方(および帯状疱疹にかかるリスクが高い18歳以上の方)が接種の対象で、特に60歳以上で帯状疱疹後神経痛のリスクが高い方では、予防の意義が大きいと考えられます。

「何年おき」の追加接種が必要かについては、現在のところ明確な推奨はなく、今後の長期追跡調査のデータに基づいて更新される可能性があります。帯状疱疹予防について関心のある方は、医師に相談し、ご自身の健康状態に基づいて接種を検討することをお勧めします。

接種のご予約・ご相談|世田谷区・豪徳寺駅徒歩5分

帯状疱疹ワクチンの接種をご希望の方、ご自身が助成対象かどうか分からない方は、お気軽にご相談ください。50歳以上の方は接種をご検討いただく時期です。

豪徳寺整形外科クリニック(東京都世田谷区豪徳寺2-31-8)
小田急線・豪徳寺駅 徒歩5分/東急世田谷線・山下駅 徒歩5分
診療時間:月〜金 9:00〜12:00/14:30〜18:30、土 9:00〜12:00(日・祝 休診)


 

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