夜になると「足が痛い」と泣く子ども——成長痛の本当の原因と正しい対処法|世田谷区の整形外科

夜になると突然「足が痛い」「膝が痛い」と泣き出す子ども。「成長痛だから大丈夫」と言われるけれど、実際どんな状態なのか、何か病気が隠れていないか、心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、成長痛の正体・正しい対処法・受診が必要なサインをわかりやすく解説します。


成長痛とは

成長痛とは、成長期の子どもに起こる原因のはっきりしない下肢痛のことで、実は医学的にきちんとした定義がある病名ではなく、「器質的な異常のない、良性の反復性の脚の痛み」を指す言葉として使われています。「成長痛」は、ほかの病気がないことを確認したうえでつけられる診断名(除外診断)です。「成長痛だから心配ない」と決めつけず、後述の「受診が必要なサイン」に当てはまらないかを確認してください。

1823年に初めて医学用語として使われ、当初は骨が急速に伸びることで生じる痛みとされていましたが、現在は骨の成長そのものが直接の原因ではないことがわかっています。

多く見られる年齢:2〜14歳(特に3〜5歳と8〜12歳に多い)


成長痛の特徴的なパターン

成長痛には、他の病気と区別するための特徴的なパターンがあります。

特徴 内容
時間帯 夕方〜夜間・夜中に多い
部位 両足(膝・すね・ふくらはぎ)が多い
翌朝 ほぼ必ず痛みがなくなっている
触れると 撫でたり温めたりすると楽になる
頻度 月2〜4回、または週1〜2回程度
腫れ 関節の腫れや熱感はない

なぜ痛くなるのか

成長痛の原因は完全には解明されていませんが、現在有力な説は以下の通りです。

1. 筋肉・腱の緊張

骨の成長に筋肉や腱の柔軟性が追いつかず、引っ張られるような痛みが生じるという説。ただし、痛みの程度と身長の伸びる速さは必ずしも一致しないと報告されており、この説だけで説明できるわけではありません。

2. 身体的疲労

日中に活発に動いた日の夜に痛みが出やすい傾向があります。体を動かしすぎた疲労が、夜間に痛みとして現れると考えられています。

3. 心理的要因

ストレスや不安など心理的な因子が関与しているという報告があります。家庭環境の変化・学校でのストレスが影響することも。


対処法

自宅でできること

  • 優しくさする・マッサージする(撫でるだけでも効果的)
  • 温める(お風呂・ホットタオル)
  • 「痛いね、つらいね」と共感する言葉をかける
  • 痛みが強いときは、小児用のアセトアミノフェン製剤を用量を守って使うこともできます(成長痛は本来くり返し薬を必要とするものではないため、続けて使う状態が続く場合は受診してください)

整形外科での対応

  • 症状の確認・除外診断(他の病気でないことを確認)
  • 必要に応じてX線・血液検査
  • 理学療法士によるストレッチ指導

受診が必要なサインを見逃さない

「成長痛だろう」と思っていても、以下のサインがある場合は整形外科の受診をお勧めします。特に、発熱をともなう・関節が腫れて熱をもっている・痛みが強くて歩けない(足をつけない)ときは、化膿性関節炎や骨髄炎など早急な治療が必要な病気の可能性があるため、様子を見ずに受診してください。

  • 痛みが片側だけに集中している
  • 関節が腫れている・赤い・熱い
  • 朝起きても痛みが続く・残る
  • 発熱を伴っている
  • 歩き方がおかしい・足をひきずる
  • 痛む場所が毎回同じ一点に限られる

これらのサインがあるときは、化膿性関節炎・骨髄炎などの感染症、若年性特発性関節炎、骨腫瘍や白血病などの病気が隠れている可能性があります。夜間の痛みに加えて、顔色が悪い・あざができやすい・体重が減る・微熱が続く・元気がないといった様子があるときは、血液検査を含めた確認が必要です。また、股関節や膝の痛みで足をひきずる場合は、単純性股関節炎・ペルテス病・大腿骨頭すべり症など股関節の病気のことがあります。特にオスグッド病(膝のお皿の下の痛み)・シーバー病(かかとの痛み)などのスポーツ障害も「成長痛」と混同されやすいため、注意が必要です。


「成長したら治る」と言われる成長痛ですが、そう判断してよいかどうかは、ほかの病気がないことを確かめてはじめて決まります。子どもが繰り返し痛みを訴える場合は、一度整形外科で診察を受けておくと安心につながります。心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。


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