「血液検査でリウマチの数値が正常でもリウマチのことはある?」整形外科医がわかりやすく解説|豪徳寺整形外科
「先生、リウマチの血液検査が全部正常だったんですけど、リウマチじゃないってことですよね?」
関節の痛みや腫れが気になって受診され、血液検査をした結果、CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド抗体)もリウマチ因子(RF)もCRP(炎症の数値)も血沈もすべて正常値——。そんな結果を見て「よかった、リウマチじゃなかった!」と安心される方は多いです。
ですが、実はこれらの検査がすべて正常でも、関節リウマチ(RA)の可能性はゼロではありません。今回は、この「隠れリウマチ」について、わかりやすくご説明します。
結論:リウマチの血液検査が正常でも、リウマチの可能性はあります
関節リウマチの患者さんの約5〜10人に1人(10〜20%)は、リウマチに関係する血液検査(CCP抗体・リウマチ因子)が陰性のまま経過します。これを医学用語では「血清反応陰性RA」と呼びます。
さらに、病気の初期段階ではCRPや血沈(炎症の指標)も正常範囲にとどまることがあるため、「採血が全部正常=リウマチではない」とは言い切れないのです。
なぜ血液検査で引っかからないリウマチがあるの?
関節リウマチは、免疫の仕組みが自分自身の関節を攻撃してしまう病気です。通常のリウマチでは、CCP抗体やリウマチ因子という「免疫の暴走の証拠」が血液中に現れます。
しかし、隠れリウマチ(血清反応陰性型)では、免疫の暴走の仕組みが通常とは異なるルートで起きているため、これらの抗体が作られません。関節を攻撃する炎症は起きているのに、血液検査ではそれが「見えない」のです。
被害(関節の炎症)は確かにあるのに、証拠(血液の異常値)が見つからない——そんな状態です。
こんな症状があったら要注意——受診の目安
採血が正常でも、以下のような症状がある場合は、隠れリウマチの可能性を考える必要があります。
- 朝のこわばりが30分以上続く(起床時に手指がこわばって動かしにくい)
- 手の指の関節(特に第2・第3関節)が腫れている
- 左右対称に関節が腫れる(両手のMCP関節やPIP関節など)
- 6週間以上、関節の腫れや痛みが続いている
- 握力が落ちた(ペットボトルの蓋が開けにくいなど)
これらの症状は、血液検査の結果に関わらず、関節リウマチを疑う重要なサインです。
当院での対応
当院では、血液検査だけでなく、関節エコー検査(超音波検査)を積極的に活用しています。関節エコーでは、関節の中の炎症(滑膜炎)を直接見ることができます。
血液検査が陰性でも、エコーで関節内に炎症のサインが見つかれば、それが「隠れリウマチ」を見つける重要な手がかりになります。
また、必要に応じてリウマチ専門医への紹介も行っています。関節リウマチは、早期に発見して適切な治療を始めることが、関節を守るために非常に大切です。「採血で異常がなかったから大丈夫」と安心しすぎず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
まとめ
リウマチの血液検査(CCP抗体・RF・CRP・血沈)がすべて正常でも、関節リウマチの可能性はゼロではありません。リウマチ患者さんの約5人に1人は、これらの検査に引っかからない「隠れリウマチ」です。関節の腫れや朝のこわばりが続く場合は、エコー検査で関節の炎症を確認できますので、お気軽に当院にご相談ください。早期発見・早期治療が、関節を守る最も大切なポイントです。
※この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状が気になる方は、必ず医師の診察を受けてください。
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