筋トレ(生理学)

筋トレ

筋トレが2型糖尿病・肥満に対して効果があることがわかっていますが勉強したことを書きます。

参考:東大TV 石井直方「中高年のためのスロートレーニング:科学的な工夫で筋肉づくり」駒場祭公開講座2017

ここで大事になってくるのが非震え熱という言葉です。

非震え熱とは筋肉を収縮させずに発生させる熱のことで、これが増えれば基礎代謝が上がって、太りにくい体、脂肪のつきにくい体になります。

非震え熱

非震え熱を起こすもの

褐色脂肪組織(BAT)

ベージュ細胞

サルコリピン

上記三つを増やすことが大事になります

褐色脂肪組織(BAT)

哺乳類は、低温に曝されると筋肉をふるわせて熱を産生します。この応答は短期的適応です。長期的効果を得るためには、褐色脂肪組織(BAT)を利用して、ふるえを伴わない方式で熱を産生します。

ベージュ細胞とは

運動刺激によって筋肉内で分泌されるアイリシンは、白色脂肪細胞を褐色化します。褐色脂肪細胞と同様の働きをするベージュ細胞に変換します。ベージュ細胞が増えれば、余分な脂肪が熱エネルギーとして消費され非震え熱が発生します。

サルコリピントとは

筋肉の中には筋小胞体というカルシウムをため込んでいる組織があります。筋肉が収縮すると、そこからカルシウムが放出され、弛緩するときにカルシウムが戻るという仕組みがあります。サルコリピンは筋小胞体からカルシウムを外に漏らしてしまいます。そうなるとカルシウムを組み上げるタンパク質(カルシウムポンプ)が活性化されて、一生懸命にカルシウムを元に戻そうとします。その際にATPが使われ、熱が発生します。この仕組みによって、筋肉が実際に収縮しなくても、カルシウムポンプが働いて熱が生み出される(非震え熱)という現象が起こっています。

筋トレ→筋肥大→サルコリピンが増える→非震え熱が増える→エネルギーを使う→代謝が増える→太りにくくなる。

非震え熱を発生させて基礎代謝を上昇させるためには上記三つ(褐色脂肪組織、ベージュ細胞、サルコリピン)を増やすことが大事です。そのうち増やすとができるのがベージュ細胞とサルコリピンでこれらは筋トレで増やすことができます。

その他マイオカイン

その他のこととして、筋トレをするとマイオカインという物質が出されます。

マイオカインの作用

脂肪分解

肝臓のグリコーゲン分解

血管の抗炎症作用→動脈硬化の予防

神経細胞の保護→認知症予防

筋トレだけで上記のような効能もついてくるんですね。

まさに筋トレは万病の薬

病院に行く前に、薬飲む前にまずは筋トレ

次回は筋トレのモチベーションを上げる方法、維持する方法について書いて行きます。

参考:東大TV 石井直方「中高年のためのスロートレーニング:科学的な工夫で筋肉づくり」駒場祭公開講座2017