扁平足はなぜ痛い?放置するリスクと対処法を整形外科が解説
「扁平足ですね」と言われたけど、なぜ痛いの?放置するとどうなる?
結論から言うと、扁平足で痛みが出る多くの原因は “足が内側に倒れ込み(過回内)”、一部に負担が集中すること です。扁平足=必ず痛い、ではありません。痛い扁平足には、起きやすいパターンがいくつかあります。
この記事では、痛む理由・放置のリスク・自分でできる対策・受診の目安までをまとめます。
比較表:痛い扁平足の「よくある痛み」と原因の目安
| 痛む場所 | よくある原因の例 | まずやること |
|---|---|---|
| かかと〜土踏まず | 足底腱膜への負担(足底腱膜炎など) | 靴の見直し/ふくらはぎストレッチ/インソール |
| 内くるぶしの後ろ | 後脛骨筋腱の負担(いわゆる大人の痛い扁平足) | 早めに受診+足の支え(装具/インソール) |
| 足の甲・外側 | 関節の圧迫・疲労、靴の影響、過回内によるねじれ | 靴幅/紐の調整、運動量調整、評価 |
| すね内側・膝 | 足の崩れ→膝やすねに負担(使いすぎ) | フォーム/筋力、インソール、練習量調整 |
※あくまで目安。痛みの原因は重なっていることが多いです。
扁平足は「土踏まずが低い」だけじゃない
扁平足は、ざっくり言うと 足のアーチ(土踏まず)が低下した状態。
ただし本当に問題になるのは、アーチが低いことよりも、
- 立ったときに 踵が外に倒れる
- 足が 内側にねじれる
- 親指側に体重が逃げて、前足部がつぶれる
といった アライメント(形と動きのクセ) です。ここが崩れると、局所に負担が集中しやすく、痛みにつながります。
扁平足が痛くなる主なメカニズム(3つ)
1)足裏の“膜”が引っぱられて痛む(足底の痛み)
足が内側に倒れ込むと、足裏の組織(足底腱膜など)が常に引っ張られます。
結果として、かかと〜土踏まずに痛みが出やすくなります。
よくある訴え
- 朝の一歩目が痛い
- 長く歩くと足裏がズーンと痛む
2)内くるぶし側の“支え役の腱”が悲鳴を上げる(大人に多い)
大人の「痛い扁平足」で重要なのが、土踏まずを支える 後脛骨筋腱。
ここが疲労・炎症・変性を起こすと、
- 内くるぶしの後ろが痛い
- だんだん土踏まずが落ちる
- 片足だけ進む
といった経過になることがあります。放置で進行しやすいタイプもあるので、ここが怪しいときは早めの評価が大事。
3)関節に“ねじれ負荷”がかかり、足首・膝まで痛くなる
扁平足で過回内が強いと、足の小さな関節に無理がかかるだけでなく、連鎖して
- すねの内側(シンスプリントっぽい痛み)
- 膝の内側、膝前
- 股関節・腰
に症状が出ることがあります。「足が原因で上に響く」パターンですね。
扁平足を放置するリスク
痛みがなければ必ずしも治療は不要なこともあります。
ただし痛みがある扁平足を放置すると、次のリスクが増えます。
リスク1:痛みが慢性化して、運動量が落ちる
かばって歩く → 別の場所が痛む → さらに動けない、という悪循環に入りやすい。
リスク2:変形が進んで、戻しにくくなることがある(特に大人)
とくに内くるぶし側が痛いタイプは、放置するとアーチ低下が進み、対応が大掛かりになることがあります(個人差あり)。
リスク3:捻挫・使いすぎ障害が増える
足首が不安定になりやすく、スポーツや長距離歩行でトラブルが増えることがあります。
受診の目安(チェックリスト)
次に当てはまるなら、一度整形外科で相談がおすすめ。
- 内くるぶしの後ろが痛い/腫れる
- 片足だけ扁平足が目立つ、最近急に悪化した
- つま先立ちがしにくい、歩くとすぐ疲れる
- 靴を変えても良くならない痛みが続く(目安:2〜4週間)
- しびれ、熱感、強い腫れ、夜間痛がある(他疾患の除外が必要)
自分でできる対処(まずはここから)
1)靴を整える(これが最重要)
- かかとが硬めで、ねじれにくい靴(踵カウンターがしっかり)
- つま先は広め、足幅に合うもの
- 紐靴ならかかとを固定して結ぶ
「柔らかすぎる靴」は、崩れた足をさらに崩しやすいことがあります。
2)インソール(市販でもOK。痛いなら相性チェックが大事)
目的は「土踏まずを持ち上げる」より、踵と足の軸を安定させること。
ただし、合わないと逆に痛くなることもあるので、痛みが強い人は評価しながらが安心。
3)ストレッチ:ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)
ふくらはぎが硬いと、足が内側に倒れやすくなります。
毎日1〜2分でもOK。
4)筋トレ:足のアーチを支える練習(簡単)
- ショートフット(足裏で“土踏まずをそっと作る”練習)
- タオルギャザー(やりすぎ注意、痛みが増えるなら中止)
- 片脚立ち(バランス)
「痛みゼロ〜軽く違和感まで」でやるのがコツ。
医療機関での治療(症状に合わせて)
- 触診・歩行評価・足部アライメント評価
- 必要に応じてレントゲン、エコーなどで原因を確認
- 装具療法(インソール、サポーター)
- 炎症が強いときは消炎鎮痛、物理療法、運動指導
- 進行例ではより強い固定や専門的治療を検討
※痛みの原因(足底腱膜/後脛骨筋腱/関節など)で方針が変わります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 扁平足は治りますか?
成長期の柔らかい扁平足は、成長とともに変化することもあります。大人は「形を完全に戻す」より、痛みを減らして機能を上げるのが現実的な目標になることが多いです。
Q2. 子どもの扁平足は放置でいい?
痛みがなく、運動や日常生活に問題がなければ経過観察になることも多いです。
ただし 痛みがある/すぐ疲れる/片足だけ強い なら相談が安心。
Q3. インソールは一生必要?
症状が落ち着いたら、筋力や靴で支えられる人もいます。逆に、負担が大きい生活(立ち仕事・スポーツ)なら“道具として継続”が合う人もいます。
Q4. 扁平足だと膝も痛くなりますか?
足の崩れが膝の向きに影響することがあります。膝痛がある人ほど、足元の評価が有効なケースがあります。
まとめ
- 扁平足で痛い理由は、過回内(内側への倒れ込み)で負担が偏るから
- 放置で 慢性痛・変形進行・捻挫/使いすぎ が増えることがある
- まずは 靴+インソール+ストレッチ・筋トレ が基本
- 内くるぶしの後ろの痛み/片足だけ悪化 は早めに評価がおすすめ


