【世田谷区・豪徳寺】ケガは冷やす?温める?—整形外科医が解説|豪徳寺整形外科クリニック
結論(まずここだけ)
- 受傷直後~48–72時間:腫れ・熱感・拍動痛がある間は冷やす(アイシング)
- その後(腫れと熱が引いたら):こわばりや重だるさが主体なら温める(温熱)
- 慢性の筋疲労・肩こり・腰の張り:温めるのが基本
この記事のポイント
- 「いつ冷やす/いつ温める?」が一目で判定できる
- 正しいやり方(時間・回数・注意点)がわかる
- 受診すべきサインと、セルフケアで十分なケースを整理
1. 冷やすべきサインとやり方
冷やすべきサイン
- 受傷直後(捻挫・打撲・打ち身・肉離れ直後 など)
- 腫れている/赤い/触ると熱い/ズキズキ拍動痛がある
アイスの正しい使い方
- 時間:1回 15–20分
- 間隔:1–2時間ごとに繰り返し(起きている間)
- 当て方:薄いタオル越しに。直接氷を皮膚に当てない
- 一緒に:軽い圧迫・挙上(いわゆるRICE / PEACEの考え方)
- 期間の目安:48–72時間(熱感や腫れが落ち着くまで)
長時間つけっぱなし(>20–30分)は凍傷リスク。必ず外す休憩を。
2. 温めるべきサインとやり方
温めるべきサイン
- 冷やす時期を過ぎ、熱感がない
- こわばり・可動域の悪さ・重だるさが主体
- 慢性的な腰痛・肩こり・筋疲労
温熱の正しい使い方
- 方法:入浴・蒸しタオル・使い捨てカイロ(肌に直貼りはNG)
- 時間:10–20分
- おすすめ:動かす前に温めると可動域が出やすく、リハ効率UP
3. 迷ったときの即決フローチャート
- 腫れて熱い? → 冷やす
- 熱はない+こわばる? → 温める
- 運動直後の違和感 → まず冷やす
- 運動前 → 温めてから軽いウォームアップ
4. ケース別の考え方(簡潔版)
- 足首捻挫/打撲(受傷直後):冷やす → 2–3日で熱感が引いたら温め+可動域練習へ
- 肉離れ疑い:まず冷やす・圧迫・挙上。強い痛みや内出血が広い場合は受診
- 慢性腰痛・肩こり:温め+軽いストレッチ/体幹トレ
- スポーツのパフォーマンス維持:練習後は冷却、次の運動前は温熱で可動域出し
5. NG・注意点
- 氷の直当て・30分以上の連続冷却は凍傷リスク
- 冷感アレルギー/末梢循環障害/高度の糖尿病性神経障害がある方は冷やしすぎ注意
- 感覚が鈍い部位への強い温熱は低温やけどの危険
- 痛みが増す/しびれ・感覚低下/はっきりした変形/荷重不可は早めに受診
6. 受診の目安(当院で対応します)
- 一歩も体重が乗らない・強い腫れや内出血が拡大
- 関節が引っかかる(ロッキング)・膝崩れが頻発
- 夜も眠れない痛み、発熱を伴う痛み
- 繰り返す捻挫・肉離れ(再発予防プログラムが有効です)
7. よくある質問(簡単Q&A)
Q1. 何日くらい冷やせばいい?
A. 目安は48–72時間。熱感・腫れが明らかに引いたら温熱へ切り替え。
Q2. 入浴はいつからOK?
A. 初期の強い腫れ・熱感が落ち着いてから。早すぎる入浴は腫れを助長することがあります。
Q3. カイロは直接貼っていい?
A. 直貼りはNG。就寝中の使用や感覚の鈍い部位は低温やけどに注意。
Q4. 子ども・高齢者は?
A. 皮膚が薄く感覚が鋭敏/鈍麻な傾向。冷温ともに時間短め・こまめに皮膚を確認。
Q5. サポーターやテーピングは?
A. 初期は圧迫固定が有効。痛みが落ち着いたら可動域訓練+筋力トレへ移行。
まとめ
- “熱い・腫れている”は冷やす/“こわばって動かしにくい”は温める
- やり方は**短時間×反復(冷温ともに10–20分)**が安全・効果的
- 強い痛み・変形・荷重不可は自己判断せずご受診を

