「四十肩・五十肩の原因と治療法:早期対策で回復を早める」
はじめに
中高年によくみられる四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、肩の痛みと運動制限を伴う疾患です。働き盛りの世代にとって、日常生活や仕事に支障をきたすことも少なくありません。本記事では、四十肩・五十肩の原因、痛みを和らげる治療法、早期に行うべきセルフケア、そしてリハビリテーションの重要性について解説します。
原因
四十肩・五十肩は、肩の関節周囲の組織(筋肉、腱、靭帯、滑液包など)の炎症や損傷が原因で発症します。具体的な原因は明確ではないことが多いですが、以下の要因が関与していると考えられています。
・加齢による変化: 年齢とともに肩周囲の組織が劣化し、肩の拘縮などが引き起こされます。
・不適切な姿勢: 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、肩や首の筋肉に過度の負担がかかります。それによって、筋肉が張ってしまい、拘縮が起きることで痛みにつながります。
・繰り返しの動作: 肩を酷使する動作や繰り返しの運動が、肩関節に負担をかけます。
治療法
四十肩・五十肩の治療には、痛みの軽減と肩の機能回復が目的となります。以下の治療法が一般的です。
・薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使用されます。
・理学療法: 温熱療法などの物理療法が炎症の軽減や血行促進に効果的です。また、ストレッチ等の運動療法を取り入れ肩の可動域改善につなげます。
・注射療法 肩に痛みが強い場合は注射をする場合もあります。 肩関節にステロイド注射などを行うことで、炎症を抑えて痛みを和らげることができます。
・手術療法: 症状が重度で他の治療法が効果を示さない場合、手術療法が選択されます。関節鏡視下手術などが検討されます。
セルフケアの種類
四十肩・五十肩の早期対策として、セルフケアが重要です。自宅でできる簡単なストレッチや日常生活動作の改善により肩の可動域を維持し、痛みを和らげることが可能です。
・肩の可動域訓練: 肩関節の可動域を広げます。肩の可動域訓練には以下のようなものがあります
① 肩甲骨回し:肘を曲げて、両手指先を両肩につけます。肘で円を書くように回します。
② 肩のインナーマッスル強化:肩腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)と言われるインナーマッスルを鍛えることで肩の可動域改善につながります。
・温める: シャワーなどで肩を温め、血行を良くすることで筋肉の緊張をほぐします。
・姿勢の改善: 姿勢を意識し、肩や首に負担をかけないようにしましょう。
リハビリテーションの重要性
四十肩・五十肩の回復には、リハビリテーションが欠かせません。リハビリテーションは、痛みの軽減だけでなく、肩の機能回復を目指すために重要です。専門の理学療法士によるリハビリテーションプログラムを受けることで、正しいフォームや運動方法を学び、効率的に回復を進めることができます。リハビリで重要なのは継続することです。リハビリをして早期に痛みを改善しましょう。
まとめ
四十肩・五十肩は、適切な治療とセルフケアを行うことで早期回復が期待できます。肩の痛みを感じたら、早めに専門医の診察を受けることが大切です。日常生活にリハビリテーションを積極的に取り入れて、痛みのない快適な生活を取り戻しましょう。
担当:金澤