骨粗鬆症について
骨粗鬆症とは - 病気の解説
骨粗鬆症の基礎知識
骨粗鬆症は、骨密度が低下し骨がもろくなる病気で、女性なら60歳以上から 男性なら65歳以上から加齢とホルモンバランスの影響により骨がもろくなってしまいます。 骨折のリスクが高まるため、早期発見と適切な治療が重要です。骨粗鬆症は早めからの予防が大事です。一度進行してしまうとなかなか正常な骨までに戻すのが大変になってしまいますので早めの検査と治療介入をおすすめしています。
骨粗鬆症の定義
骨の量と質が低下することで、骨折しやすくなる状態のことを指します。
骨の構造と働き
骨は、コラーゲンとミネラル(カルシウムなど)で構成され、体重を支えたり、内臓を守る役割があります。
骨折のリスク
骨折の種類
骨粗鬆症になってしまうと、わずかな外力でも骨折を起こしてしまいます。多い骨折が手首の骨折、足の付け根の骨折、腰の骨折です。一度骨折が起きてしまうとその後の生活の質を大きく低下させてしまいます。
骨粗鬆症の症状と診断
一般的な症状
初期症状
初期症状は日常生活では気づきにくく、発見が遅れてしまいます。
進行した症状
シャッターの開け閉めやくしゃみ程度で背骨の骨折を起こしてしまいます。転倒して手をついた時に容易に骨折を起こしてしまいます。
診断方法と検査
骨密度測定
DEXA法
骨の強度をはかります。 手首の骨、背骨の骨、足の付け根の骨で計測する方法があります。当院では手首の骨で計測しています。 DEXAが70%を切ると骨粗鬆症の診断となります。 DEXAが70%台であると骨粗鬆症予備軍といえます。
採血検査
骨密度が低かった場合は、骨の代謝がどういった状況か調べるために採血検査を行います。 この検査をすることによって骨を作る働きと壊す働きをしらべて、使用する薬物を決めます。ビタミンDの過不足なども調べます。
X線検査
腰椎圧迫骨折の有無を調べます。腰椎圧迫骨折があるとDEXA検査の数値にかかわらず骨粗鬆症の診断となります。
骨粗鬆症の原因とリスク要因
女性と閉経の関連性
ホルモンと骨粗鬆症、閉経後の骨密度変化
女性の場合は閉経後に女性ホルモンの分泌が減るため、破骨細胞という骨を壊す細胞の働きが活発になります。 そのため男性と比べて骨粗鬆症になりやすいといわれています(女性ホルモンは破骨細胞の働きを抑える役割があります)。 男性は男性ホルモンが女性ホルモンに変換(アロマターゼという酵素が男性ホルモンの一部を女性ホルモンに変換)されるため骨粗鬆症は起きにくくなっています。
骨密度低下の要因
加齢と骨密度
加齢に伴って骨密度は徐々に低下し、骨折のリスクが高まります。
生活習慣の影響
喫煙、アルコール過剰摂取、運動不足、カルシウムやビタミンDの不足などの悪い生活習慣は、骨密度低下につながります。
骨粗鬆症の治療と適切な医療
治療法の種類
薬物療法
薬物療法には、カルシウム剤、ビタミンD補充剤、ビスホスホネート、骨形成促進薬、エストロゲン製剤などがあります。これらは骨密度の低下を抑制し、骨折リスクを減らします。
非薬物療法
非薬物療法には、運動、食事の改善、生活習慣の見直しがあります。これらは骨密度の維持や改善に役立ちます。
骨粗鬆症の予防と生活習慣
骨粗鬆症予防の運動
運動
有効な運動方法は、定期的かつ適度な強度で行うことが重要です。適切な強度や頻度は、年齢や健康状態に応じて調整されます。また、運動前にウォームアップやストレッチを行い、怪我を防ぐことも大切です。
運動の継続と効果
運動の効果を最大限に引き出すためには、継続が重要です。短期間で効果を求めるのではなく、長期的な視点で続けることが、骨密度の維持や向上に繋がります。運動を楽しむことで継続しやすくなり、骨粗鬆症予防に役立ちます。