「肩の内旋の可動域って背骨のどこで測るの?」整形外科医がわかりやすく解説|世田谷区の整形外科
「肩の動きを検査するときに、背中に手を回してくださいって言われたけど、あれって背骨のどの高さまで届くかを見ているんですか?」
診察室でこのようなご質問をいただくことがあります。肩の検査で「背中に手を回す動き」を確認しているのを見て、不思議に思われる方も多いようです。今回は、この検査の意味をわかりやすくお伝えします。
結論:背骨の「棘突起」という出っ張りの高さで判断しています
肩の内旋(ないせん)の可動域を調べるとき、私たち整形外科医は「結帯動作(けったいどうさ)」という検査を行います。これは、手を背中に回して親指がどこまで届くかを確認するテストです。このとき基準にしているのが、背骨の真ん中にある「棘突起(きょくとっき)」という骨の出っ張りです。
背骨のどの高さ?具体的な目安
背骨は上から順に、首の骨(頚椎:C1〜C7)、背中の骨(胸椎:T1〜T12)、腰の骨(腰椎:L1〜L5)と並んでいます。結帯動作では、親指の先がこの背骨のどの高さに届くかを記録します。
- 正常範囲:T5〜T7あたり(肩甲骨の間くらい)まで届くのが目安です
- やや制限あり:T10〜T12(肋骨の下あたり)までしか届かない場合
- 制限が強い:腰椎レベル(L1〜L5)やお尻のあたりまでしか届かない場合
左右差を比べることも重要で、痛い側だけ届かないという場合は、肩関節に何らかの問題がある可能性があります。
なぜこの検査が大切なの?
背中に手を回す動きは、日常生活で意外と使っています。エプロンの紐を結ぶ、下着のホックをとめる、ズボンの後ろポケットに手を入れるなど、実は肩の内旋がないと困る場面は多いのです。
この動きが制限されている場合、以下のような疾患が疑われることがあります。
- 凍結肩(いわゆる五十肩):肩関節の周囲が硬くなり、動きが制限される
- 腱板損傷:肩の筋肉や腱が傷ついている状態
- 変形性肩関節症:関節の軟骨がすり減っている状態
こんなときは受診をおすすめします
- 背中に手が回しにくくなった
- エプロンが結べない、下着のホックがとめられない
- 左右で手の届く高さに明らかな差がある
- 背中に手を回すと肩に痛みが出る
- だんだん動きが悪くなってきている
当院での対応
豪徳寺整形外科では、丁寧な問診と触診に加え、レントゲンやエコー検査を用いて肩関節の状態を詳しく評価します。必要に応じてMRI検査(連携医療機関)も行い、正確な診断につなげます。
診断結果に応じて、リハビリテーションによるストレッチや筋力訓練、注射療法、内服薬などを組み合わせた治療を行います。特にリハビリでは、結帯動作の改善を目標にした専門的なプログラムをご用意しています。
まとめ
肩の内旋の可動域は、背中に手を回したときに親指が背骨のどの高さまで届くかで評価します。基準となるのは背骨の棘突起で、胸椎のT5〜T7あたりが正常の目安です。この動きが制限されていると、日常生活で不便を感じることが多いため、気になる方はお早めにご相談ください。
※この記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断や治療を代替するものではありません。症状がある場合は、整形外科専門医の診察をお受けください。
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