側彎症について

側彎症は、脊椎(背骨)が左右に異常に曲がる病気です。正常な脊椎は前から見るとまっすぐですが、側彎症では、背骨が横方向に「S」字型または「C」字型に曲がります。この曲がりが進行すると、姿勢や運動機能に影響を及ぼすことがあります。

側彎症の原因

側彎症にはいくつかの種類があり、原因によって異なります

  1. 特発性側彎症:原因が明確ではなく、成長期に発症することが多い。特に思春期に見られることが多いです。
  2. 先天性側彎症:脊椎が発生時に異常があり、先天的に曲がっている場合。
  3. 神経筋性側彎症:神経や筋肉の疾患(例えば、脳性麻痺や筋ジストロフィーなど)が原因で脊椎が曲がる。
  4. 加齢性側彎症:加齢による脊椎の変形や退行性の変化が原因で発症。

症状

側彎症の症状は以下のようなものがあります

  • 背中や腰に痛みが生じることがある(ただし成長期の側彎症では、弯曲が進んでも痛みが出ないことが多い)
  • 片側の肩が上がっている、または骨盤が傾いている
  • 姿勢が歪んで見える
  • 腰や足にしびれや麻痺を感じることもある(進行すると)

特に小児や思春期においては、早期の発見と定期的な経過観察が重要です。なお、側彎症(特に原因のわからない特発性側彎症)を確実に予防する方法は、現時点ではわかっていません。姿勢や生活習慣で発症を防げるわけではありませんが、以下は背骨の健康を保ち、早期発見につなげるための一般的な心がけです。

1. 定期的な健康診断・姿勢チェック

  • 早期発見が重要: 側彎症は、初期段階では症状が目立たないことが多いため、定期的に医師による診察を受けることが予防に繋がります。特に成長期の子どもは、姿勢や体の変化に注意を払い、異常があれば早期に診断を受けましょう。
  • 学校での検診: 学校で行われる健康診断(運動器検診の一環として実施される脊柱側わん症検診)は、側彎症の早期発見に役立ちます。

2. 姿勢を良くする

  • 正しい姿勢を保つ: 姿勢の悪さが側彎症(背骨の変形をともなう構築性の側彎症)の原因になったり、その進行を早めたりすることはないと考えられています。ただし長時間同じ姿勢を続けることは背中や腰の負担になるため、座っているときに、背筋を伸ばして肩を後ろに引き、腰に負担をかけないように気をつけることが大切です。
  • 姿勢矯正: 姿勢を正すことで側彎症の発症や進行を防げるわけではありませんが、背中や腰の負担を減らすうえでは役立ちます。立ったり座ったりする際には、背骨がまっすぐになるように意識しましょう。

3. 体を動かすこと

  • 運動: 運動によって側彎症そのものを予防できるという医学的な根拠は、現時点では十分ではありません。ただし、背筋や腹筋を鍛えて骨や筋肉を強化することは、脊椎の健康を保つうえで重要です。水泳やヨガ、ピラティスなどの全身を使う運動は、柔軟性を高め、脊椎を支える筋肉を強化します。
  • 姿勢改善エクササイズ: 筋力バランスを改善するためのエクササイズ(例えば、肩甲骨を寄せるエクササイズや、腰回りの筋肉を強化するエクササイズ)は、体の負担を減らすうえで役立つことがあります。なお、側彎症に対する運動療法の効果については、現在も検証が進められている段階です。

4. 適切な寝具や作業環境

  • 寝具の選択: 硬すぎず柔らかすぎない適度な硬さのマットレスを使用することで、寝ている間に脊椎を支え、正しい姿勢を維持できます。
  • 作業環境の調整: デスクワークや読書など、長時間同じ姿勢をとることが多い場合、作業スペースの高さを調整したり、椅子の高さや背もたれの角度を調整して、背中に負担がかからないようにしましょう。

5. 重いものを持ち上げる際の注意

  • 正しい持ち上げ方: 重いものを持ち上げるときは、背中を曲げて持ち上げるのではなく、膝を曲げて腰を使って持ち上げるように心がけましょう。これにより、脊椎への負担が軽減されます。

6. コルセットの使用(予防的な場合)

  • 医師の指導のもとでの装具(コルセット)使用: 装具は側彎症の発症を予防するものではなく、すでにある弯曲の進行を抑えるための治療です。成長期で弯曲が軽度の場合は定期的な経過観察が基本となり、中等度の弯曲があって骨の成長が残っている場合に装具治療が検討されます。適応や装着時間は、レントゲンで測定した弯曲の角度や成長の段階をもとに医師が判断します。

7. 栄養管理

  • カルシウムやビタミンDの摂取: 骨の健康を保つためには、十分なカルシウムとビタミンDの摂取が重要です。特に成長期の子どもには、骨を強化する栄養素を十分に摂取することが望まれます。ただし、これらの栄養素を摂ることで側彎症の発生を防げるわけではありません。

8. 早期の治療

  • 進行が見られる場合: 側彎症が見つかった場合や進行が見られる場合は、早めに専門的な診察を受けることが大切です。軽度の側彎症では定期的な経過観察を行い、進行が見られる場合には装具(コルセット)治療によって進行を抑えることが期待できます。弯曲が高度になった場合は、手術が検討されることもあります。

これらは背骨の健康を保つうえで大切な心がけですが、側彎症そのものを予防する方法は現時点ではわかっていません。特に特発性側彎症は原因が明らかになっていないため、学校検診などによる早期発見と、進行の有無を確認するための定期的な経過観察が非常に重要です。背中の左右差や姿勢の傾きが気になる場合は、早めに整形外科にご相談ください。


 

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