半月板損傷について

2023年4月15日 2024年2月12日

gotokuji-seikeigeka

半月板損傷の基本情報

ひざの大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨のことを半月板といいます。ひざの内側と外側に存在し、関節に加わる負荷を分散させ、膝関節を保護するクッション的な役割があります。この他にも、半月板は関節の安定化や関節の形を補形する役割、関節内の潤滑作用を補助する役割も担っています。

半月板に損傷が生じると、ひざに痛みや不快感を引き起こします。半月板が断裂した場合、運動中や日常生活でのひざの動きに支障をきたすことがあります。一度損傷が起きると、半月板は繊維軟骨でできているため、血流が乏しく、自己治癒能力は低いといわれています。

半月板損傷については、内側断裂が73%、外側断裂が19%、両側断裂が8%と報告されています。損傷の程度に応じて、手術が必要になる場合もあります。

半月板損傷の原因とリスクファクター

半月板損傷は、スポーツや運動中の急激な方向転換やジャンプ、ねじる動作が原因となることが多いです。また、加齢による軟骨の劣化や関節疾患の影響も半月板損傷のリスクを高める要因となります。

半月板損傷の症状

・ひざが腫れたり、熱感を帯びたりする

・ひざを動かすときにひっかかるような感覚がある

・ひざの曲げ伸ばし時に痛みがあり困難である

・ひざを動かすときに重く感じる

・階段昇降時に痛みを感じる

・関節内に半月板がひっかかり、ひざが突然伸びなくなる

・歩き始めや歩いている最中に痛みを感じる

・運動すると痛む。休憩後に再開すると痛みが緩和する

・しばらく休んで運動再開すると同じ症状が再発する

半月板損傷の診断

整形外科でひざの症状を診察し、半月板損傷が疑われる場合はレントゲン、MRI検査を行います。レントゲンでは変形性膝関節症の有無をチェックします。半月板はレントゲンには映らないため、診断にはMRI検査が必須です。
半月板が損傷していると、三角形の半月板の中に白い線（断裂）が認められます。しかし外側半月板損傷のMRIに対する診断率は低いので所見、症状（引っかかりやクリック）で判断することもあります。

半月板損傷の治療法

保存的療法

膝の軽度の症状には、保存療法が最初に行われます。保存療法には、薬物療法（内服、関節内注射）、物理療法、装具療法（lateral wedgeのインソール）、運動療法（大腿四頭筋などのストレッチ、筋トレ）などが含まれます。これらの治療法を組み合わせることで、症状を軽減することができます。

水が蓄積されている場合、関節内注射によって水を抜くことができます。しかし、水は再度たまってしまうことがあります。保存療法が有効でない場合は、手術療法が検討されます。

手術治療

膝に痛みや不快感がある場合、保存療法が最初に試されます。しかし、保存療法が効果がない場合や、膝が動かなくなるロッキング症状がある場合には、手術療法が検討されます。手術療法には、半月板切除術と半月板縫合術の2種類があります。最近の研究では、半月板は可能な限り温存する方が望ましいとされており、縫合が可能な場合には、半月板縫合術が選択されます。半月板縫合が不可能な場合や、早期のスポーツ復帰が必要な場合には、半月部分の切除が行われます。

術後のリハビリテーションと期間

手術後は、リハビリテーションが必要です。関節の可動域を回復させ、筋力をつけることが目的です。半月板切除術の場合、約3ヵ月、半月板縫合術の場合、約6ヵ月後にスポーツ復帰が可能とされています。ただし、個人差があるため、必ずしも同じ期間で完全復帰できるわけではありません。手術にはリスクが伴うため、手術を検討する場合には、医師とよく相談し、正しい治療法を選択するようにしましょう。

半月板損傷の予防

半月板損傷の予防には、筋力トレーニングやストレッチング、適度な運動量の維持が有効です。また、急激な運動を始める前には、ウォーミングアップを行うことも重要です。

リハビリ施設・設備紹介

専門医による的確な診断のもと、症状(お困りのこと)の原因となる身体機能の問題にアプローチします。当院の理学療法は、柔道整復師、アスレチックトレーナーがマンツーマ…

豪徳寺整形外科クリニック | 世田谷区経堂梅ヶ丘宮の坂山下スポーツ・リハビリ - 東京

カテゴリー: 膝、診療