豪徳寺整形外科クリニックでは、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)を取り扱っています。
肺炎球菌感染症や予防のためのワクチンについてご説明いたします。
※世田谷区では高齢者を対象に肺炎球菌定期予防接種の費用一部助成制度があります。
(https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/003/004/d00134042.html)
- 肺炎球菌とは?
- 肺炎と風邪の違い
- 肺炎の予防法
- 肺炎球菌ワクチンの接種が特に奨められている方
- 肺炎球菌ワクチンの接種タイミング
- 費用と予約方法
- 接種を受けることができない方
- 肺炎球菌ワクチンの副反応
- よくある質問
肺炎球菌とは?
日本人の高齢者のうち約3~5%の人の鼻や喉の奥に常在し、何かのきっかけで肺炎など肺炎球菌感染症を起こす細菌です。日常でかかる肺炎で、一番多い原因菌は肺炎球菌といわれています。
肺炎と風邪の違い
肺炎は、日本人の死因第3位です。 しかも、亡くなる方の約95%が、65歳以上の高齢者です。
肺炎と聞くと、「風邪をこじらせたらかかる」「冬に多い病気だろう」と思われている方が多いかもしれません。しかし、肺炎は細菌やウイルスなどが、からだに入り込んで起こる肺の炎症です。症状としては、発熱、咳や痰、息苦しさや胸の痛みなどがあげられます。
肺炎の原因となる細菌やウイルスは人のからだや日常生活の場に存在しています。からだの抵抗力(免疫力)が弱まったときなどに感染を起こしやすく、普段、元気に暮らしている方でも、持病の悪化や、体調不良などをきっかけに、感染する可能性のある病気です。
肺炎は、症状が重くなると、命に関わる危険性もあります。また、日常でかかる肺炎の原因菌で最も多いのが「肺炎球菌」です。
肺炎の予防法
1.毎日の感染予防
2.免疫力が落ちないようにする
肺炎球菌による感染症にかかりやすい方として、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの慢性疾患を持つ方や、病気の治療中などで免疫抑制状態にあり免疫力が低下している方、脾臓を摘出されている方、たばこを吸っている方などが挙げられます。
3.肺炎球菌ワクチンの予防接種
肺炎予防のためにできることのひとつに予防接種があります。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぎます。
※ただし、すべての肺炎を防ぐものではありません。
肺炎球菌ワクチンの接種が特に奨められている方
- 65歳以上の方
- 呼吸器にCOPD(肺気腫・慢性閉塞性肺疾患)などの疾患をお持ちの方
- 糖尿病を治療中の方
- 慢性心不全の方
- 肝硬変など慢性肝疾患の方
- 免疫機能が低下している方
- 喫煙歴のある方
- 脾臓摘出などで脾機能不全のある方
- 養護老人ホームや長期療養施設などに居住されている方
※上記のような慢性疾患がある方は65歳未満でも接種が受けられます。
肺炎球菌ワクチンの接種タイミング
初めて摂取する方
65歳以上の方や糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの慢性持病をお持ちの方などは、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。
接種は、1年を通していつでも可能です。
過去に摂取したことがある方
5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みなどが強く出ることがありますので、再接種をご希望される方は、5年以上の間隔をあけて行ってください。
効果の持続期間
接種してから免疫(抗体)ができるまで、約3週間かかります。また、個人の健康状態によって異なりますが、肺炎球菌ワクチンの免疫(抗体)は、5年以上持続するといわれています。
費用と予約方法
1回 | 9,000円(税込み) |
※世田谷区では高齢者肺炎球菌定期予防接種の費用一部助成制度があります。対象者は必要な手続きを行うことで、自己負担額1,500円で接種することができます。詳細は世田谷区HPをご参照ください。
予約方法
- 当クリニックへのお電話(03-5451-7878)あるいは受付でのご予約をお願いいたします。
- 当日のご連絡でも在庫があれば接種可能ですが、ワクチンの取り寄せに1週間程度かかる場合がありますのでご了承ください。
- 接種時に医師の診察が必要です。
- 医師の診察によって、当日予防接種が受けられない場合がございます。
接種を受けることができない方
- 接種当日、明らかな発熱や体調が悪く医師が接種不可能と診断した場合
- 重い急性期の疾患がある方
- 強いアレルギー体質の方(ワクチンの成分に対しアナフィラキシーなどの強いアレルギー体質の方など)
肺炎球菌ワクチンの副反応
接種後に注射部位の腫れ、発赤、痛み、発熱などがみられることがありますが、通常約5日で治まります。
5年以内に再接種をすると、注射部位の疼痛・紅斑や硬結などの副反応が初回接種よりも頻度が高く程度も強く発現するとの報告があるため、再接種を行う場合は必ず5年以上の間隔をあけて行う必要があります。接種した年月日の記録は必ずとっておきましょう。