骨折で仕事復帰はいつから?部位・職種別の目安を整形外科医が解説

骨折後、仕事にはいつから復帰できる?

骨折してしまったとき、多くの方が最も気にされるのが「いつから仕事に戻れるのか」という点です。結論から言うと、骨折の部位と仕事の内容によって復帰時期は大きく異なります。

このページでは、整形外科医の視点から、部位別・職種別の復帰目安をわかりやすくまとめました。あくまで一般的な目安であり、個人差がありますので、主治医とよく相談してください。

部位別:骨折の治癒期間と仕事復帰の目安

手首の骨折(橈骨遠位端骨折)

手首の骨折は、転倒時に手をつくことで最も多く起こる骨折のひとつです。ギプス固定の場合、固定期間はおおむね4〜6週間です。

デスクワークの方は、ギプスをしたままでも受傷後1〜2週間程度で復帰できることが多いです。ただし、キーボード操作やマウス操作に支障が出るため、片手での作業になる点はご了承ください。

接客業・立ち仕事の方は、ギプス中でも業務内容によっては2〜3週間程度で復帰可能です。ただし、重い物を運ぶ業務は制限が必要です。

力仕事・肉体労働の方は、骨がしっかりつくまで6〜8週間以上の休業が必要になることが一般的です。手術(プレート固定)を行った場合は、固定力が強いため、ギプスのみの場合よりやや早く復帰できることがあります。

足首の骨折(足関節骨折)

足首の骨折では、体重をかけられない期間があるため、仕事復帰のタイミングは仕事の内容に大きく左右されます。

デスクワークの方は、松葉杖を使用しながら2〜3週間程度で復帰できるケースが多いです。通勤手段の確保が課題になりますので、在宅勤務が可能であれば、より早い段階で業務に戻れます。

立ち仕事・外回りの方は、荷重歩行が許可されてから(一般的には4〜6週以降)になるため、復帰まで6〜8週間程度かかることが多いです。

力仕事の方は、骨癒合が完了し、十分なリハビリを行ったうえで8〜12週間以降の復帰が目安です。

肋骨骨折

肋骨骨折はギプスで固定できないため、痛みとの付き合い方がポイントです。痛みは受傷後2〜3週間がピークで、4〜6週間で徐々に軽快します。

デスクワークであれば、痛み止めを服用しながら1〜2週間程度で復帰可能です。ただし、咳やくしゃみで強い痛みが出るため、無理は禁物です。

体を使う仕事の場合は、4〜6週間の安静が推奨されます。深呼吸や体をひねる動作で痛みが出るため、段階的に業務量を増やしていきましょう。

腰椎圧迫骨折

高齢者に多い腰椎圧迫骨折は、コルセット着用での安静が治療の基本です。

デスクワークでも、座位で腰に負担がかかるため、3〜4週間の休業が必要になることが多いです。復帰後もコルセット着用を続けながら、長時間の座位を避ける工夫が大切です。

体を使う仕事は、8〜12週間以上の休業が必要です。骨粗鬆症が背景にあることが多いため、再発予防の治療も並行して行います。

職種別の復帰目安まとめ

骨折部位 デスクワーク 立ち仕事・接客 力仕事・肉体労働
手首(橈骨遠位端) 1〜2週間 2〜3週間 6〜8週間
足首(足関節) 2〜3週間 6〜8週間 8〜12週間
肋骨 1〜2週間 3〜4週間 4〜6週間
腰椎圧迫骨折 3〜4週間 6〜8週間 8〜12週間以上
鎖骨 1〜2週間 4〜6週間 6〜8週間

※あくまで一般的な目安です。骨折の程度、治療法(保存療法・手術)、年齢、合併症の有無などにより個人差があります。

仕事復帰を早めるために大切なこと

1. リハビリを早期に開始する

骨折後、固定している間も動かせる関節はしっかり動かすことが重要です。固定が外れた後のリハビリも、指示された内容をコツコツ続けることが、最も確実に復帰を早める方法です。

2. 痛みのコントロール

痛みを我慢して無理に仕事をすると、かえって回復が遅れることがあります。主治医と相談し、適切な痛み止めを使いながら段階的に活動量を上げましょう。整形外科で使用されることの多い鎮痛薬には、カロナール(アセトアミノフェン)やロキソニン(ロキソプロフェン)などがあります。

3. 職場との連携

復帰時期について、主治医の診断書をもとに職場と相談しましょう。段階的な復帰(時短勤務や業務制限など)が可能かどうか、早めに確認しておくとスムーズです。

労災で骨折した場合の手続き

仕事中や通勤途中の骨折は、労災保険の対象となる場合があります。労災認定を受けると、治療費は全額補償され、休業中は給与の約8割が休業補償として支給されます。

労災の申請には「療養補償給付」「休業補償給付」の手続きが必要です。職場の担当者に早めに相談し、必要な書類を整えましょう。当院でも労災による骨折の治療に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

労災の詳しい手続きについては、こちらの記事でも解説しています。

まとめ

骨折後の仕事復帰の時期は、骨折の部位・程度と、お仕事の内容によって大きく変わります。焦って早期に復帰するとかえって治りが遅くなるリスクがある一方、必要以上に長く休むことでの社会的な不安もあるかと思います。

大切なのは、主治医の指示を守りながら、ご自身の状態に合わせて段階的に復帰していくことです。仕事復帰のタイミングに不安がある方は、遠慮なく整形外科を受診してご相談ください。

豪徳寺整形外科クリニックでは、骨折の治療からリハビリ、復帰に向けたサポートまで一貫して対応しています。診断書の作成も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。


 

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