肩腱板断裂について

腕を上げたり回したりするには、肩甲骨と上腕骨を結ぶ腱板の働きが必須です。この腱板といわれる組織が上腕骨を肩甲骨に引き寄せることによって滑らかな肩の動きを実現しています。この腱板が年齢的変化や怪我によって切れてしまったものが腱板断裂で、肩を動かすときや夜寝るときに痛く、腕を上げる力がなくなります。整形外科に行って医師の診察を受けてエコーまたはMRI検査で診断されます。

腱板断裂の治療

断裂した腱板は自然にはつながらないのですが、他のきれていない腱板であったり、上腕二頭筋あたりがカバーしてくれますので、ある程度時間をかければ日常生活や事務労働ができるようになります。痛みが強い場合は飲み薬(非ステロイド性抗炎症薬、ロキソニンやセレコックスのこと)や関節注射(ステロイド)による治療を行います。また穏やかなリハビリを行い、なめらかな肩の動きを回復させます。

腱板断裂の手術

腕をよく使う仕事やスポーツをする方には、手術をお勧めする場合があります。筋力を早く回復させ、不自由な期間を短くするためです。また3ヶ月程度の保存治療を行なっても改善しない時なんかも手術を検討します。手術は全身麻酔で内視鏡を用いて行います(関節鏡下肩腱板断裂手術)。

比較的ご高齢の方で断裂範囲が広い場合、3か月くらい待っても腕が上げられないことがあります。このような時はリバース型人工肩関節置換術を行います。リバース型人工肩関節置換術はできる医師が限られているので専門病院を受診しましょう。