成長期に多い膝の痛み「オスグッド病」について | 世田谷区・スポーツ整形
成長期に多い膝の痛み「オスグッド病」とは? 〜整形外科医が解説〜 豪徳寺 経堂 梅ヶ丘 宮の坂 山下
オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)は、成長期の子どもたち、とくにスポーツをしている中高生によくみられる膝の障害です。膝のお皿のすぐ下(脛骨粗面)が痛み、骨が出っ張ってくるのが特徴です。
なぜ起こるの?
思春期になると骨は急激に伸びますが、筋肉や腱は骨の成長に追いつけません。特に大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が硬くなり、膝のお皿から下にある膝蓋腱を通じて脛骨粗面を繰り返し引っ張ることで、そこに炎症や骨の変化が起こります。
バスケやサッカー、バレーボールなどジャンプやダッシュを繰り返す競技でよく起こります。
どんな症状?
- スネの上のあたりが痛む
- 押すと痛い
- 走ったりジャンプしたりすると痛む
- 休むと軽くなるけど、運動するとまた痛くなる
- 出っ張ってきた骨が気になる
診断は?
問診と触診で多くは診断できます。必要に応じてレントゲンで骨の状態を確認したり、まれにMRIを使って他の病気との区別をします。
治療法は?
基本的には保存療法(手術をしない治療)が中心です。
保存療法のポイント
- 痛みがある時は運動を休むか軽くする
- アイシング(冷やす)で炎症を抑える
- 大腿四頭筋やハムストリングスのストレッチ
- 膝に負担をかけないフォーム指導
- 必要に応じて膝の下に当てるサポーター(オスグッドバンド)
痛みが落ち着いてきたら、ストレッチや筋力トレーニングを行い、膝への負担を減らしていきます。
手術は必要?
ほとんどの場合、成長が止まると自然に痛みは治まります。ごくまれに、骨の出っ張りが大人になっても痛む場合は、骨片を取り除く手術を検討することもあります。
予後とスポーツ復帰
多くは数週間〜数ヶ月で改善し、成長期が終わる頃には痛みも消えます。無理をせず、段階的に運動を再開することが大切です。
保護者や指導者へのアドバイス
- 成長期の膝の痛みは無理させない
- 痛みがあるときは無理に練習を続けない
- ストレッチを日々の習慣に
- 「休む=サボり」ではなく、「休養もトレーニングの一部」
豪徳寺整形外科クリニックでは、スポーツ障害の早期発見・治療に力を入れています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。