腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛のお薬えらび |豪徳寺整形外科 経堂 豪徳寺 梅ヶ丘
「何の薬を、いつ、どう使うの?」が分かるように、役割ごとに説明します。
※同じ“狭窄症”でも症状は人それぞれ。診察で調整しながら進めます。
まずお薬を3つの役割で考えます
- 痛み止め(炎症・痛みに)
- ロキソニン(ロキソプロフェン)(炎症・痛み)
- セレコックス(炎症・痛み)
- カロナール(アセトアミノフェン)(痛み)
- しびれ・電気が走るような痛み(神経の痛み)
- タリージェ(ミロガバリン)
- リリカ(プレガバリン)
- 歩くとつらい・休むと楽(間欠性跛行)を少し歩きやすく
- オパルモン(リマプロスト)
それぞれ、どんな時に使う?
① 痛み止め:ロキソニン/カロナール
- こんな症状に:腰の重だるさ、張り、動かすと痛い、朝のこわばり。
- 使い方のコツ
- ロキソニンは効きが早く「つらい時に短期で」。
- カロナールは胃や腎臓にやさしめ。高齢の方や胃が弱い方に向いています。
- 注意
- ロキソニン:胃荒れ・腎機能・血圧に注意。長く続けすぎない。
- カロナール:お酒の多い方や肝臓の弱い方は量の調整が必要。
② 神経の痛み止め:タリージェ/リリカ
- こんな症状に:お尻~足にびりっとくる痛み、しびれ、夜間に強い痛み。
- 効き方:少量から始めて少しずつ増やすと効いてきます。
- 眠気・ふらつきに注意:最初は夜に比重を置くと安心。
- ポイント:
- タリージェとリリカは“兄弟薬”なので同時には使いません。
- 腎臓の働きで量を調整します。
③ 歩くとつらい(間欠性跛行)に:オパルモン
- こんな症状に:立って歩くと足がしびれてつらい、少し前かがみで楽になる。
- ねらい:歩ける距離を伸ばすサポート。
- 使い方のコツ:ロキソニンやリハビリに上乗せして使うと相性が良いことがあります。
よくある“組み合わせ”例(あくまで一例)
- 基本形:ロキソニン セレコックス カロナール
- 歩行でしびれが強い方:
- 上にオパルモンを追加
- 胃が弱い/腎臓が心配:
- カロナール中心+神経の薬を少量から
大切なのは「効き目と副作用のバランス」。2~4週間ごとに様子を見て、量や種類を微調整します。
“お薬の困りごと” Q&A
Q. 眠気やふらつきが出ました
A. まず内服時間を夜に寄せる・量を少し減らす。転倒に注意。続く時はすぐ相談してください。
Q. 胃がムカムカする(ロキソニン)
A. 食後に。必要なら胃薬を追加します。症状が続くなら中止して受診を。
Q. いつまで続けるの?
A. 目安は2~4週間で手ごたえを判定。良くなってきたら量を減らす。改善が乏しければ**別の方法(ブロックや手術の相談)**も視野に。
Q. タリージェとリリカは一緒に飲める?
A. 一緒には飲みません。どちらか一方を使い、合わなければ切り替えます。
お薬だけでなく“動き方”もセットで
- 前かがみ姿勢(カート押しなど)で楽になる方が多い病気です。
- 体幹・お尻の筋力、股関節・足首の柔らかさを上げると、神経への圧が減りやすいです。
- リハビリで**“楽な歩き方”と筋トレの順番**をお伝えします。
これだけは“すぐ受診”
- 足の力が急に抜ける/どんどん弱る
- 排尿・排便の異常(出にくい、漏れる)
- 股(会陰部)の感覚が鈍い
→ 馬尾神経のトラブルの可能性。放置せず早急に受診してください。
まとめ(院長より)
- 痛みのタイプに合わせて薬を選ぶと、効き方がよくなります。
- 同じ薬でも量・時間帯で体感が変わります。遠慮なく相談してください。
- お薬+**リハビリ(動きの工夫)**のセットが、いちばん改善を実感しやすいです。