キャッチアップ接種制度(無料)が2025年3月末に終了します
HPVワクチンは、その有効性の高さから、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に公的な定期予防接種制度が開始されています。
HPVワクチンの有効性や詳細については、こちらの記事にまとめておりますのでご参照ください。
一方で、定期予防接種で打てていない女性に対しても、無料でワクチンを接種できる「キャッチアップ接種」が2022年4月より開始されました。(既に1~2回接種したあとに中断した人も、残りの回数を無料で接種できます。)
※キャッチアップ接種制度の詳細は世田谷区のHPもご参照ください。
現在、世田谷区のキャッチアップ接種対象者、約5万人のうち接種率が、1割程度にとどまっています。2025年4月以降に接種する場合、約5~10万円*(計3回接種)を自費で支払うことになりますので、この機会に接種することをおすすめします。
*医療機関やワクチンの種類によって金額が異なります。
無料接種できる期間
2022年4月1日~2025年3月31日
※計3回の接種を公費(無料)で受けるためには、遅くとも2024年9月までに1回目を接種する必要があります。
対象となる方
次の2つをいずれも満たす方が対象となります。
- 平成9年度生まれ~平成18年度生まれの女性(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)
- 過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方*
*過去に接種したワクチンの情報(ワクチンの種類や接種時期)については、母子健康手帳や予防接種済証等でご確認ください。
費用と予約方法
費用
無料
※2025年4月以降に接種する場合、全額自費診療となり、計3回で約5~10万円*かかるためご注意ください。
予約方法
キャッチアップ予防接種を受けるためには「予防接種予診票」が必要となります。既に世田谷区より対象者に一斉発送されていますが、転入等の理由でお手元にない場合は、下記のいずれかの方法で申請してください。
- 世田谷区HP:https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kusei/010/002/005/d00138603.html
- TEL:03-5432-3333 (世田谷区予防接種コールセンター)
予防接種予診票に必要事項をご記入のうえ、当クリニックへのお電話(03-5451-7878)あるいは受付でのご予約をお願いいたします。(当日でも在庫があれば接種可能です。)
子宮頸がんは、ワクチンで予防できるがんです
ワクチンの詳細
現在日本で使用されているHPVワクチンには以下の3種類(2価・4価・9価)がありますが、当クリニックではそのうち最も新しく開発され、予防効果も高いといわれる9価ワクチン(シルガード9)を採用しています。
【9価ワクチン(シルガード9)】
- 開発年:2014年
- 効果:主要な子宮頸がん原因ウイルスである16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の5種類の高リスク型に対して、90%以上の効果があるとされています。
- 接種回数:初回接種年齢により接種スケジュールに違いがあります。
- 15歳になるまでに1回目を接種した場合:全2回(初回接種から6ヶ月後に2回目の接種)
- 15歳になってから1回目を接種した場合:全3回(初回接種から2ヶ月後に2回目、6ヶ月後に3回目の接種)
9価ワクチンは、主要な高リスクのHPV型に加えて、より多くのHPV型に効果があるとされています。また、性交渉をすると必ず感染するわけではないので、初交後のHPVワクチン接種も十分に効果があります。(ただし、HPVワクチンは感染を予防するワクチンのため、既に感染したウイルスを排除する効果はありません。)
HPVワクチンの安全性
HPVワクチンは特別に副反応(ワクチンの副作用)が起こりやすいわけではないことが、数多くの研究で確かめられています。日本でも、名古屋市で大規模な調査がおこなわれた結果、十分な安全性が確かめられていることが2018年に報告されています。とはいえ、副反応のリスクがまったく無いわけではないため、特に接種の前後は医師の指示に従って過ごすことが重要です。
接種を受けることができない場合について
次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種が受けられません。
- 明らかに発熱(通常37.5℃以上)がある
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかである
- 接種しようとする予防接種の接種液の成分により、アナフィラキシーを起こしたことがある
- 妊娠もしくは妊娠している可能性がある
- その他、医師が不適当な状態と判断した場合
その他、気になる点やご不明点などがありましたらお気軽に医師や当クリニック受付にご相談ください。