「子供の成長期における整形外科疾患:注意すべきサインと対応策」
子供の成長期は、体の発達が急速に進む時期です。この時期には、骨や筋肉の成長に伴い、様々な整形外科疾患が現れることがあります。その中でも遭遇することの多い2つについてお話させていただきます。
1. オスグッド・シュラッタ病(Osgood-Schlatter病)
症状:
- 膝の下部(脛骨粗面)に痛みや腫れがある。
-時間の経過によって脛の骨(脛骨粗面)が出っ張って来る。
- 特に運動後に痛みが強くなる。
- 膝の屈伸や階段の上り下りで痛みを感じることがある。
対応策:
- 安静: 痛みや違和感が出た際は、運動や激しい活動を避け、膝を休ませる。
- アイスシング: 痛みや腫れを和らげるために、冷たいアイスパック等を膝に当てる。15分〜20分程度を目安に凍傷に注意。
- ストレッチ: 大腿四頭筋(太ももの前)やハムストリングス(太ももの裏)のストレッチを行い、筋肉の柔軟性を保つ。親も一緒に行うことで子供も日常的に行いやすくなることも。
- 適切な靴: 足に合った靴を履くことで膝への負担を軽減する。
- 専門医の相談: 症状が続く場合は、整形外科医に相談し、治療方法やリハビリを検討す
る。
*新学期や、新しいチーム、長期休み後など運動量が一気にアップする時期などに痛みが強く発生したりするので運動前、運動後は入念にストレッチを行って下さい。
2. 成長痛
症状:
- 足のひざ下やふくらはぎ、太ももに痛みを感じる。
- 特に夕方から夜にかけて痛みが強くなることが多い。(朝は感じないこともある)
- 通常、痛みは両足に広がることが多い。
対応策:
- マッサージ: 疲れた筋肉を軽くマッサージすることで痛みが和らぐことがある。
- 温かいお風呂: 温かいお風呂に入ることで血流がよくなり、筋肉がリラックスし痛みが軽減する。
- ストレッチとエクササイズ: 足のストレッチや軽いエクササイズを行い、筋肉の緊張をほぐす。
- 痛み止め: 必要に応じて、医師の指示に従って市販の痛み止めを使用する。(※市販のものを使用する前に医療機関への受診をオススメします。)
親ができるサポート方法
- 定期的な健康チェック: 成長期の子供は定期的に健康チェックを受けることで、早期に異常を発見できます。
- 適切な活動量の管理: 運動やスポーツの際には、無理をせず、子供の体調に応じた適切な活動量を管理することが重要です。
- コミュニケーションの促進: 子供が痛みや不調を感じたときに、すぐに相談できるようにコミュニケーションを大切にしましょう。
- 専門医の受診: 気になる症状がある場合は、専門医に早めに相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
成長期の整形外科疾患は、適切な対応をすることで多くの場合改善が見込まれます。日頃の歩き方1つ気にかける事で早期発見の可能性も格段に上がるので長く痛みに悩まされる事も減ることが期待できます。