骨粗鬆症について

骨粗鬆症について

女性なら60歳以上から

男性なら65歳以上から

加齢とホルモンバランスの影響により骨がもろくなってしまいます。

特に女性の場合は閉経後に女性ホルモンの分泌が減るため、破骨細胞という骨を壊す細胞の働きが活発になります。

そのため男性と比べて骨粗鬆症になりやすいといわれています(女性ホルモンは破骨細胞の働きを抑える役割があります)。

男性は男性ホルモンが女性ホルモンに変換(アロマターゼという酵素が男性ホルモンの一部を女性ホルモンに変換)されるため骨粗鬆症は起きにくくなっています。

ホルモンバランスの変化による骨代謝の影響は食事に気をつけていても避けられなく、骨粗鬆症は発生してしまいます。

骨粗鬆症は早めからの予防が大事です。一度進行してしまうとなかなか正常な骨までに戻すのが大変になってしまいますので早めの検査と治療介入をおすすめしています。

骨粗鬆症だと何が困るの?

骨粗鬆症になってしまうと、わずかな外力でも骨折を起こしてしまいます。多い骨折が手首の骨折、足の付け根の骨折、腰の骨折です。一度骨折が起きてしまうとその後の生活の質を大きく低下させてしまいます。

診断はどうするの?

DEXA法

X線検査で骨の強度をはかります。

手首の骨、背骨の骨、足の付け根の骨で計測する方法があります。当院では手首の骨で計測しています。

DEXAが70%を切ると骨粗鬆症の診断となります。

DEXAが70%台であると骨粗鬆症予備軍といえます。

採血検査

骨密度が低かった場合は、骨の代謝がどういった状況か調べるために採血検査を行います。

この検査をすることによって骨を作る働きと壊す働きの多寡をしらべて、使用する薬物を決めます。ビタミンDの過不足なども調べます。

薬物療法について

【治療薬の種類】
骨粗鬆症治療薬は大きく3つに分類されます。

1. カルシウム剤
2. 骨吸収を抑えて骨密度低下を抑える薬剤
3. 骨形成を促進して骨を強くする薬剤

【1.カルシウム剤】


骨密度に重要なカルシウムは食事だけで必要量を摂取しようとすると大変ですが、カルシウム剤で補うことができます。

薬:アスパラCA錠
用法用量:1日2~3回内服

【2. 骨吸収を抑えて骨密度低下を抑える薬剤】


(1) エストロゲン製剤

女性ホルモンのエストロゲンは破骨細胞の働きを抑え、骨芽細胞の働きを助けます。
閉経後のエストロゲンの分泌量は男性よりも少なくなるため骨粗鬆症は女性に多いようです。
不足したエストロゲンを補充するのがエストロゲン製剤です。

薬:エビスタ錠
用法用量:1日1錠を1回内服

副作用は下肢血栓に注意

(2) ビスホスホネート製剤
骨の表面に結合し、骨を壊しに来た破骨細胞の働きを抑えます。

薬:ボナロン、アレンドロネート
用法用量:週1回内服

薬:リクラスト
用法用量:年1回注射

(3) RANKL阻害剤
破骨細胞の活性化に関わるRANKLというたんぱく質の働きを抑えます。

薬:プラリア注
用法用量:6か月に1回注射

【3. 骨形成を促進して骨を強くする薬剤】


(1) ビタミンD製剤
カルシウムの吸収量を増加させる作用があります。骨形成を促進する効果もあります。

薬:エディロールカプセル、ワンアルファ錠
用法用量:1日1回内服

(2)ビタミンK製剤
骨形成を促進します。

薬:グラケーカプセル
用法用量:1日3回内服

(3) テリパラチド製剤
骨芽細胞を活性化させるホルモンにパラトルモンがあります。
このパラトルモンの代わりとなり骨芽細胞を活性化させるのがテリパラチドです。

薬:テリボン注
用法用量:週1回皮下注射

(4) 抗スクレロスチン製剤
骨形成抑制と骨吸収促進作用を併せ持つスクレロスチンの働きを阻害します。

薬:イベニティ注
用法用量:月1回皮下注射

どんな薬を使うは検査と年齢次第なので、病院にいき検査を受けましょう!

食事について

筋肉だけではなく、土台となる骨をしっかり強くしておくことはとても大事です。