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🏥 豪徳寺整形外科クリニック / 患者さん向け資料

股関節唇損傷

Hip Labral Tear
「レントゲン異常なし」でも股関節の奥が痛い原因

股関節唇(かんせつしん)とは、骨盤の受け皿(寛骨臼)のふちを取り囲む線維軟骨の輪です。この関節唇が断裂・損傷した状態が「股関節唇損傷」です。
股関節唇には関節面を広げて骨頭を安定させる・衝撃を吸収するクッション・関節液を保持して軟骨を守るという3つの重要な役割があります。
レントゲンには映らないため見落とされやすく、「異常なし」と言われながら痛みが続くケースが多い疾患です。

1
股関節の形態異常(FAI)

大腿骨頭の形が丸くない(Cam型)または受け皿が深すぎる(Pincer型)場合、動くたびに関節唇に異常な力がかかる。

2
繰り返す股関節の動作

スポーツ(サッカー・ゴルフ・ダンス)や和式トイレ・正座など、股関節を深く曲げる動作の繰り返しで関節唇が少しずつ傷む。

3
急性外傷

転倒・スポーツ中の衝突などで突然に損傷することもある。

4
放置すると変形性股関節症へ

関節唇のクッション機能が失われると軟骨への負荷が増大し、長期的に変形性股関節症に進行するリスクがある。

5
臼蓋形成不全との合併

発育性股関節形成不全(受け皿が浅い)がある場合、骨頭が不安定で関節唇に過剰な負担がかかりやすい。

⚽ サッカー・ゴルフ・格闘技 💃 バレエ・ダンス 🏋️ 股関節を深く曲げる動作 🦴 FAI(股関節形態異常) 👶 臼蓋形成不全の既往
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鼠径部(足の付け根)の深部の痛み
🪑
しゃがむ・脚を組むと痛みが増す
🔊
股関節を動かすとコキッ・ゴリッと音がする
🚶
長時間歩行後に股関節が重だるい
⬆️
立ち上がりの動作開始時に痛む
🩻
レントゲンで「異常なし」でも痛みが3ヶ月以上続く(MRI・関節造影MRIで診断)
🚫
活動制限
痛みを誘発する動作・姿勢を3〜6ヶ月避ける。和式→洋式、正座を避けるなどの生活改善も重要
💊
消炎鎮痛剤
炎症期の疼痛コントロール。NSAIDs(ロキソニンなど)を短期使用します。胃・十二指腸潰瘍のある方、解熱鎮痛薬で喘息発作が出たことのある方(アスピリン喘息)には使用できません
💉
関節内ステロイド注射
股関節内に直接注射。痛みの緩和と診断的意義を兼ねます(エコーガイド下で行います)。感染のある部位には行いません。投与間隔は原則2週間以上あけ、回数を絞って行います
💪
理学療法
股関節周囲の深層外旋筋・内転筋を強化。関節への負担を分散させ症状を改善する
🔭
股関節鏡手術(保存療法無効時)
1cm×3カ所の低侵襲手術。関節唇の縫合修復+骨形態異常(FAI)の同時修正が可能
🩻
関節造影MRI・放射状MRI
通常のMRIでははっきり描出できないことがある関節唇を詳しく評価できる検査
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保存療法で改善する方が多いと報告されています

まず3〜6ヶ月の保存療法を行います。保存療法で疼痛が緩和する方が多いと報告されていますが、報告により改善率にはばらつきがあります。保存療法が無効な場合は股関節鏡手術が選択肢となり、術後3〜6ヶ月での本格復帰が目安です。

⚠️

放置すると変形性股関節症に進行するリスク
股関節唇は軟骨を守るクッションの役割を担っています。損傷を放置すると軟骨への負担が増大し、長期的に変形性股関節症に進行するリスクがあります。「レントゲン異常なし」でも3ヶ月以上続く股関節痛はMRI検査をお勧めします。

💡 知っておきたい4つのこと

  • 鼠径部の痛みは股関節由来が多い——「腰痛かな」と思っても股関節を疑って
  • レントゲンで「異常なし」でも痛みが続くなら関節造影MRIが必要な場合がある
  • FADIRテスト(股関節の屈曲・内転・内旋)で痛みが出るなら診断の手がかりになる
  • 早期に診断し、背景にある股関節の形(FAI・臼蓋形成不全など)を含めて評価したうえで治療を始めることが大切です