Hip Labral Tear
「レントゲン異常なし」でも股関節の奥が痛い原因
股関節唇(かんせつしん)とは、骨盤の受け皿(寛骨臼)のふちを取り囲む線維軟骨の輪です。この関節唇が断裂・損傷した状態が「股関節唇損傷」です。
股関節唇には関節面を広げて骨頭を安定させる・衝撃を吸収するクッション・関節液を保持して軟骨を守るという3つの重要な役割があります。
レントゲンには映らないため見落とされやすく、「異常なし」と言われながら痛みが続くケースが多い疾患です。
大腿骨頭の形が丸くない(Cam型)または受け皿が深すぎる(Pincer型)場合、動くたびに関節唇に異常な力がかかる。
スポーツ(サッカー・ゴルフ・ダンス)や和式トイレ・正座など、股関節を深く曲げる動作の繰り返しで関節唇が少しずつ傷む。
転倒・スポーツ中の衝突などで突然に損傷することもある。
関節唇のクッション機能が失われると軟骨への負荷が増大し、長期的に変形性股関節症に進行するリスクがある。
発育性股関節形成不全(受け皿が浅い)がある場合、骨頭が不安定で関節唇に過剰な負担がかかりやすい。
まず3〜6ヶ月の保存療法を行います。保存療法で疼痛が緩和する方が多いと報告されていますが、報告により改善率にはばらつきがあります。保存療法が無効な場合は股関節鏡手術が選択肢となり、術後3〜6ヶ月での本格復帰が目安です。
放置すると変形性股関節症に進行するリスク
股関節唇は軟骨を守るクッションの役割を担っています。損傷を放置すると軟骨への負担が増大し、長期的に変形性股関節症に進行するリスクがあります。「レントゲン異常なし」でも3ヶ月以上続く股関節痛はMRI検査をお勧めします。