Painful Accessory Navicular
内くるぶしの前下にある「出っぱり」が痛む——成長期に多く、多くは手術をせずに落ち着いていきます
外脛骨(がいけいこつ)は、足の内側にある舟状骨(しゅうじょうこつ)のわきに生まれつき備わっている「余分な骨」です。日本人のおよそ10〜20%に見られる体のバリエーションのひとつで、持っているだけでは病気ではなく、その大半は一生痛みません。
この外脛骨に痛みが出た状態を「有痛性外脛骨」と呼びます。外脛骨には土踏まずを支える後脛骨筋(こうけいこつきん)の腱がついていて、走る・ジャンプする・靴が当たるといった刺激が重なると、骨と骨のつなぎ目に負担がかかって痛みが出ます。
10〜15歳の成長期にスポーツをしている子に多く、女の子にやや多いと報告されています。「捻挫がなかなか治らない」「内くるぶしの下が腫れている」と受診して見つかることもよくあります。
外脛骨には3つのタイプがあり、痛みが出るのはそのうち、舟状骨と線維軟骨という柔らかい組織でつながっているタイプがほとんど。骨どうしがしっかり癒合していないぶん、ずれる力に弱い。
土踏まずを引き上げる後脛骨筋の腱は外脛骨に付着している。ダッシュ・ジャンプ・方向転換のたびに、この腱がつなぎ目を繰り返し引っぱる。
繰り返す牽引とねじれで、線維軟骨のつなぎ目に微細な損傷が起こる。ここが痛みの発生源になり、押すとピンポイントで痛む。
骨が出っぱっているため、サイズの合わない靴・幅の狭い靴・スパイクの内側が直接当たり、皮膚側からも刺激が加わる。
骨の成長が終わる15〜17歳ごろにはつなぎ目が安定し、痛みが引いていくことが多い。ただし全員がそうなるわけではなく、大人になってから痛み出す人もいる。
靴の調整・インソール・リハビリ・運動量の調整といった保存療法で、多くの方は症状が軽くなっていきます。骨の成長が終わる15〜17歳ごろにはつなぎ目が安定し、痛みが出にくくなることが多いとされています。ただし痛みが強い時期は数か月続くこともあり、練習を再開すると一時的にぶり返すことも珍しくありません。焦らず、痛みの様子を見ながら負荷を戻していくことが大切です。
扁平足との関係——「外脛骨があるから扁平足になる」わけではありません
有痛性外脛骨の方は扁平足を合併していることが多いのですが、外脛骨が扁平足の原因だと証明されているわけではありません。扁平足そのものは、痛みなどの症状がなければ治療の必要はありません。インソールは土踏まずの形を作りかえるものではなく、痛みをやわらげ足の使い方を助けるためのものです。
また、内くるぶし周辺の痛みには、舟状骨の疲労骨折、後脛骨筋腱の障害、足根骨癒合症など別の原因もあります。足首の動きが硬く土踏まずが動かない「硬い扁平足」や、片足だけ急に悪化する場合は、これらの鑑別が必要になります。